原麻里子 アナウンサー、社会人類学者、慶大講師、元テレビ朝日アナウンサー、元BBCワールドサービスプロデューサー、ケンブリッジ大学院論文修士 info@haramariko.com twitter id @haramariko
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エリザベス女王のお茶会

 帰国の前年に、バッキンガム宮殿で開かれたエリザベス女王のお茶会に、BBC日本語部を代表して招待されたときに、戦前、祖父が母のために買った古い着物を着て出かけたのも大変良い想い出です。

 毎年、BBCがよく働いたスタッフを女王様主催のお茶会に推薦します。私は、BBC勤務の最後の年に、BBC日本語部を代表して、バッキンガム宮殿で開かれた女王様主催のお茶会に招待されました。2-3ヶ月前に招待されることが分かったので、東京の母に電話でその話をしました。母は、「女王様のお茶会に招待されたのも、何かのご縁ね」と言いました。お茶会に出席するための服装規定が、アフタヌーン・ドレスかフォークロア・ドレス(民族衣装)ということでしたので、母は自分が16歳の時に.祖父が母のために買った絽の着物を仕立て直して、ロンドンへ持って来ました。

 いよいよ当日。私は美容院で髪をセットしてもらい、母が妹を助手に着物を着付けてくれました。サー、出発です。私は着物姿で車を運転し、バッキンガム宮殿へ向かいます。日曜・祭日には、家からBBCへ車で通っていましたが、その際、いつも宮殿の横を通るので、慣れた道ではあります。しかし、流石に、この日はバッキンガム宮殿の近くへ来ると、お茶会に呼ばれた人や、それを見に来た人々の車で、大混雑。私はノロノロ運転をしながら、ウィンドウから警察官に駐車券を見せると、警官はピーピーーと笛を鳴らして、一般車を制して、私の車を通し、敬礼してくれました。私は駐車し宮殿のゲートへ向かいました。

 宮殿の門で、儀場兵に迎えられ、宮殿の中へ入って行きました。中に入ると「自然風」を演出した、正に、英国調のお庭にいくつもの大テントが張られていました。いつも、塀の外から見ていたお庭を見るのは、感激でした。

 私が招待された日には、エリザベス女王、故皇太后、チャールズ皇太子、故ダイアナ妃が出席。供されたのは、ケーキ、スコーン、紅茶、アイスクリームなどでした。正直に言って、非常に豪勢とか、視覚的にアピールするような食べ物は出されませんでしたが、アイスクリームがとても美味しかったのを覚えています。英国人をはじめ、各国の人たちが、着物姿の私を見て、珍しそうに、親愛を込めて、近づいて、声をかけてくれました。母が意図してくれたことは成功でした。でも、珍しさのあまり、シルクシルクといって、着物を触ってくる人には、閉口しましたけれど。

 英国人は、男性はシルクハットにステッキか軍服姿、女性はアフタヌーン・ドレスにひさしの大きな帽子に柄の長いパラソル。私を見送りに来た母と妹はこの英国人たちの姿を喜んで見物していました。英国は人々に名誉を与えることで働かせるのが得意です。

エリザベス女王のお茶会_b0048021_1531996.jpg

(エリザベス女王の公式誕生日Trooping the colourで見かけた典型的な英国の紳士)
 
無断転載を禁じます。©原麻里子
by anthropologist | 2007-06-13 09:06 | BBC
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