原麻里子 アナウンサー、社会人類学者、慶大講師、元テレビ朝日アナウンサー、元BBCワールドサービスプロデューサー、ケンブリッジ大学院論文修士 info@haramariko.com twitter id @haramariko
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ケンブリッジ大学 ウルフソン・カレッジ フォーマル・ホール

 ケンブリッジ大学では、どのカレッジも、週に何回かはフォーマル・ホールを開いている。出席するには事前の予約が必要である。ウルフソン・カレッジではカレッジの学生も1学期に2回フォーマル・ホールに出席できる権利がある。カレッジ内の人は黒いアカデミック・ガウンを羽織って行く。ゲストはスーツかドレスを着用する。この辺りはカレッジによって規則が異なる。

 まず、プレドリンクである。直接、食堂へ行くのではなく、別室でシェリーやワインを嗜む。カレッジによっては異なる建物で様々な飲み物が供されたり、学部生、院生、フェローとそれぞれが別室で飲み物を飲むカレッジもある。ウルフソンは狭いので、ホール前の廊下でワインのみが出される。この場で、知人や友人を紹介したり、挨拶をしたりする。

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(ウルフソン・カレッジのフォーマル・ホール)


 時間になると、スチュワードが銅鑼を鳴らす。ウルフソン・カレッジにはフェローや教員のみが座るハイテーブルはないので、学部生、院生、フェローと同じテーブルにつく。

 プレジデントが、全員起立の中、ラテン語でお祈りの言葉「ベネディクトゥス・べネディカト。。(誉れあるものに誉れあれ)アーメン」を唱える。プレジデントが欠席の場合は、当日に出席しているカレッジのメンバーの中で地位の高い人がお祈りをする。人によって、お祈りの長さが異なるので、日本人学生は、今日は、あの人だから、長いとか短いとかいう。お祈りの後、一堂は着席する。

 ハイテーブルのあるカレッジは、ハイテーブルとそのほかの人たちが座るテーブルの料理は異なる。

 食事は3コースメニューである。料理は特別素晴らしいということはない。暖められた皿が配られ、その上に給仕が肉や魚を盛る。テーブルの真中にポテトやブロッコリーがのったお皿があり、それを回す。塩コショウを料理の味見をせずに振るのが英国風である。この味見をせずに、塩コショウを振る習慣に、英国人を自宅に招待し、腕によりをかけた日本人は衝撃を受ける。ワインも出される。メニューは選べないが、ベジタリアンの人は予め申し込んでおくと、ベジタリアン料理が出される。

 考えてみれば、18-19歳の学生が学内で給仕つきの食事をするというのは不思議だ。かつての上流階級が学生であったときの名残なのだろうなと思う。給仕は男は白いYシャツに黒いスラックスに蝶ネクタイ。女は白いブラウスに黒いスカート。制服ではなく、各自持ち合わせのものを着用しているようだ。

 食事が終わると、ホールから外へ出て、コーヒーが振舞われる。ここで、また、立ち話をする。そして、席順を変えてデザートである。デザートにはポルトワインがでる。チョコとチーズが出る。果物も鉢に盛られる。そこでは、必ず、バナナがでる。その後は、バーで招待したゲストとお酒を飲んだりする。

 しかし、不思議なのは、このフォーマル・フォールでの会話である。見知らぬフェローがとなりになると、「何を読んでいるのか(即ち、専攻は何か)」などという、お決まりの話がされる。良く話し合うが、実は、何も話し合わないのと同様である。勿論、テーブルが長いので、不可能であるが会食者全員が一緒になって話すことはない。隣の席の人に、右側の人が左側の人に低い声で話しかける。次は、その逆である。毎回、同じような表面的な会話である。留学生達はその会話を無意味と云って嫌っていた。一般的にいって、英国人は、空虚な言葉の羅列が多いのである。ロンドンの街などで耳にする中流階級の中年婦人の会話を聞くと、自分で自分の声に酔っているような感じもある。

 他の学部生が中心のカレッジに行くと、学部生のテーブルでは、最後には、ワイングラスをスプーンで叩いたり、テーブルに乗る学生までいて、大騒ぎになる。ウルフソン・カレッジは大学院生が中心なので、学生は猛烈に忙しいため、フォーマルに出席する人が少ないのは寂しい。
 そのほかにも、クリスマス・ディナーやスポウズナイト(配偶者ナイト)、バーンズナイト(スコットランドの踊りを皆で踊る)、ゲストナイトなど、いろいろなイベントが組まれている。


無断転載を禁じます。 原麻里子

by anthropologist | 2007-06-22 15:28 | ケンブリッジ大学
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