原麻里子 アナウンサー、社会人類学者、慶大講師、元テレビ朝日アナウンサー、元BBCワールドサービスプロデューサー、ケンブリッジ大学院論文修士 info@haramariko.com twitter id @haramariko
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ケンブリッジ大学 メイ・ウイーク

 試験が終わると、学生達はその結果を大変心配する。しかし、また同時に、学生にとっては最も楽しいシーズンの到来である。メイ・ウィークというのはイースター・タームの試験が終わった直後の1週間を言う。だから、実際には6月のイベントである。実質上は、試験の終わった学部からメイ・ウィークが始まる。遅く試験が行われる学部の学生は皆が遊んでいるのを横目に勉強しなければならないから辛い。

 ところで、何故、メイ・ウィークが6月にあるのか。1882年に、大学が主要な試験を1月から5月に移動した。それ以来、メイ・ウィークは6月に行われるようになったのである。 学生達は勉強から解放され、パント、コンサート、芝居、パーティーと遊びまくる。カレッジの庭でバーベキューパーティーを開いたりする。カレッジ主催のガーデン・パーティーでは、紅茶やお茶、サンドイッチ、ケーキが振舞われる。コーラス・グループはコーラスを披露。毎日が遊びである。

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  (ウルフソン・カレッジのティー・パーティー)

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  (ティー・パーティーでフェローと学生たちの演奏)

 やはり、皆が出かけるのはパンティングであろう。パンティングとはケム川を小さな舟で巡ることである。3月下旬から10月下旬まで行われている。パントを進めるには、パントの後ろに立って、長いポールを持て、前にさし、川底ついて、それを後ろへ押し、パントを前へ送る。これがなかなか難しく、パントがくるくる回ってしまうこともある。どのカレッジも自前のパントを持っていて、カレッジのメンバーなら、1時間約2ポンドで貸してくれる。パントを進めていると、カレッジの庭からケム川に飛び込んで泳ぐ学部生もいるのが見える。私はパントでグランチェスター(Granchester meadows)まで行こうとしたが、一度も成功したことはない。かなり大変なのである。

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 ウルフソン・カレッジのすぐ近くにある女子学生専門のニューナムカレッジは大変美しい。建物は赤レンガ造りで庭は百花繚乱。夏にはリンゴの花が咲き乱れ、リンゴが沢山なる。それが手に届くところにある。私はこの庭を初めて見たとき、子供の頃に読んだ「秘密の花園」とは、こういう庭だったのかしらと思った。ガーデニングをする人には憧れの庭ではなかろうか。メイ・ウイーク中に、この庭で開かれたストロベリークリームを食べるパーティーに呼ばれたときは、至福の慶び。また、卒業を前にした学部学生たちと、庭で演じられたシェークスビアの野外劇を見たのも楽しい想い出である。私のスーパーバイザーである社会人類学科のアラン・マクファーレン教授に勧められたのだが、これはお勧めの見ものである。英国では、このように、野外でシェークスピア劇を演じるのが盛んである。街で俳優や女優が衣装を着て宣伝をしている。

 クライマックスは、この時期、各カレッジで開かれる学生主催のメイボールである。ボールとはいうが、現在は、ソーシャルダンスはない。ディスコである。花火が上がる。パントがついていたり、朝食は、コンコルドに乗って、パリでシャンパンつきというカレッジもあった。食事がつき、出店ありで楽しい。テントが張られる。サバイバーズフォトがある。これは、「生き残った」学生たちの顔を写真に撮るということである。明るくなった空の中、礼装をした徹夜明けの学生たちが帰途につく。

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   (セント・ジョンズ・カレッジのメイ・ボール)

 有名なカレッジのチケットを入手するのはかなり難しい。そして、チケットはとても高い。学生達は誰とメイボールへ行くかが大騒ぎ。当日、女性はイブニングドレス、男性はタキシードを着て出かける。初夏の夕べに美しいカップルが街を歩く。学生達は徹夜で騒ぐ。私は、一年目に、最も人気のある一つであるセント・ジョンズ・カレッジのメイボールに出かけた。知人たちの話では、その日の地元の夕刊紙「イヴニング・スタンダード」に私の写真が大きく載っていたというのであるが、自分では確認できなくて、とても残念。

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(セント・ジョンズ・カレッジのメイ・ボールで)

無断転載を禁じます。 原 麻里子

by anthropologist | 2007-06-24 09:04 | ケンブリッジ大学
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