原麻里子 アナウンサー、社会人類学者、慶大講師、元テレビ朝日アナウンサー、元BBCワールドサービスプロデューサー、ケンブリッジ大学院論文修士 info@haramariko.com twitter id @haramariko
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ケンブリッジ大学ー講義中の学生たち


 社会人類学科では、講義中、教員は文献を引用する際には、ここが引用部分であると明確に示す。例えば、[Smith 2002: 48]というように読み上げる。そして、教員によっては、引用文を語るときは、両手を挙げて、人差指と中指を振って、引用文を明確に示していた。学生達は手元にあるリーディングリストを見れば、Smithが 2002年に書いた本か論文の 48ページから引用された文とわかる。予め用意してきたペーパーを読み上げるというような授業をする教員もいた。

 授業を受ける英国人の学生たちは講義内容を完結したセンテンスでノートに書く。日本では、小学生の時に、授業内容を文章でノートを取るのはよくないと習う。ノートを簡潔に上手くまとめるのが頭のよい証拠とされていたが、それとは全く異なる。

 英国の大学教育に関しては、エッセイ、スーパービジョン、プレゼンテーションのみならず、こうした授業のやり方、学生達のノートの取り方からも、教育のあり方の一端がわかる。

  試験の話は別記したが、英国では学生たちはエッセイやセミナールで自分なりのエッセイやペーパーを書くので、講義ノートを丸暗記して、テストを受けるということにはならない。また、それでは、評価が低くなる。

 ところで、9時から始まる1時間目の講義中、私は女子学生がリンゴを齧りながらノートを取っている姿を時々見かけた。社会人類学の2年次以降の授業は、ほぼ全てがセミナールームで行われるが、その部屋は机を置くと、窓辺に座ったりしても、50人位しか座れない。そこでのことである。英国の自由な気風が感じられる。

 私は社会人類学のような文化相対主義的な考え方をする学科だから、古い規範から外れた行動をとる学生も寛容に受け入れられたのかもしれないと思い、他の学部に留学していた人たちにも訊いてみたが、同様なようであった。ただ、古典学を学んだ友人は、講義中にリンゴを齧りながら講義を聴いている学生を見たことはないと云っていた。英国では歴史的に理想的道徳的人間の育成に欠かせないとされてきた古典学を勉強する学生たちだけのことはあるのかもしれない。

 とにかく、授業中、内職や私語をする学生は皆無であった。また、エスケープする学生もいない。勿論、日本のように、授業中、化粧をしている女子学生は皆無。教員が学生の出席を取ることは全くなかった。

無断転載を禁じます。 原 麻里子

by anthropologist | 2007-07-23 15:29 | ケンブリッジ大学
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