原麻里子 アナウンサー、社会人類学者、慶大講師、元テレビ朝日アナウンサー、元BBCワールドサービスプロデューサー、ケンブリッジ大学院論文修士 info@haramariko.com twitter id @haramariko
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人の捨てたものを拾って有効利用? ケンブリッジ大学での経験

 
 留学を終えて、帰国することのことである。私はイタリア製の皮製のダッフルコートを愛用していた。このコートはベージュと淡いグリーンの間のなんともいえない色合いの表革で、裏はキルティングになっている。東京で、10年以上前に、奮発して購入したものだった。英国に住む学生としては、このコートは暖かいし、突然、小雨の振り出す英国では、フードがついていると、とても便利。色もお洒落。でも、裏地は汚れて真っ黒だった。こう汚れていると、いくらなんでも日本では着られない。そこで、帰国前に、これを捨てた。

 カッレジでは、ウイークデーの朝、クリーニング・レディが部屋の前に置いてあるゴミを集めて、捨ててくれる。このコートを見た40代後半と見えるクリーニング・レディは、「もったいない。そのコートをいらないの」というから、「ほら、裏を見てよ。こんなに汚れているのよ」と私は、裏地を見せて答えた。でも、彼女は、それを持っていった。無理をすれば、裏地を取り替えられるかも知れないけれど、洋裁上手の母でさえ、それは大変だというから、捨てたのに。

 それから、日本製のコンピュータのプリンター。変圧器を使用しないと使えない品で、英国では、直すのが不可能なので、帰国の際、安い新製品を買ってきた。そして、壊れたプリンターは捨てた。ところが、ある日、コンピューターオフィサーのオフィスへ行ったら、私が捨てた、日本製のプリンターが置いてあった。あれは変圧器がないと使えないのだけれどね。どうするつもりだったのだろう?


原 麻里子
# by anthropologist | 2007-06-14 14:34 | ケンブリッジ大学

エリザベス女王のお茶会

 帰国の前年に、バッキンガム宮殿で開かれたエリザベス女王のお茶会に、BBC日本語部を代表して招待されたときに、戦前、祖父が母のために買った古い着物を着て出かけたのも大変良い想い出です。

 毎年、BBCがよく働いたスタッフを女王様主催のお茶会に推薦します。私は、BBC勤務の最後の年に、BBC日本語部を代表して、バッキンガム宮殿で開かれた女王様主催のお茶会に招待されました。2-3ヶ月前に招待されることが分かったので、東京の母に電話でその話をしました。母は、「女王様のお茶会に招待されたのも、何かのご縁ね」と言いました。お茶会に出席するための服装規定が、アフタヌーン・ドレスかフォークロア・ドレス(民族衣装)ということでしたので、母は自分が16歳の時に.祖父が母のために買った絽の着物を仕立て直して、ロンドンへ持って来ました。

 いよいよ当日。私は美容院で髪をセットしてもらい、母が妹を助手に着物を着付けてくれました。サー、出発です。私は着物姿で車を運転し、バッキンガム宮殿へ向かいます。日曜・祭日には、家からBBCへ車で通っていましたが、その際、いつも宮殿の横を通るので、慣れた道ではあります。しかし、流石に、この日はバッキンガム宮殿の近くへ来ると、お茶会に呼ばれた人や、それを見に来た人々の車で、大混雑。私はノロノロ運転をしながら、ウィンドウから警察官に駐車券を見せると、警官はピーピーーと笛を鳴らして、一般車を制して、私の車を通し、敬礼してくれました。私は駐車し宮殿のゲートへ向かいました。

 宮殿の門で、儀場兵に迎えられ、宮殿の中へ入って行きました。中に入ると「自然風」を演出した、正に、英国調のお庭にいくつもの大テントが張られていました。いつも、塀の外から見ていたお庭を見るのは、感激でした。

 私が招待された日には、エリザベス女王、故皇太后、チャールズ皇太子、故ダイアナ妃が出席。供されたのは、ケーキ、スコーン、紅茶、アイスクリームなどでした。正直に言って、非常に豪勢とか、視覚的にアピールするような食べ物は出されませんでしたが、アイスクリームがとても美味しかったのを覚えています。英国人をはじめ、各国の人たちが、着物姿の私を見て、珍しそうに、親愛を込めて、近づいて、声をかけてくれました。母が意図してくれたことは成功でした。でも、珍しさのあまり、シルクシルクといって、着物を触ってくる人には、閉口しましたけれど。

 英国人は、男性はシルクハットにステッキか軍服姿、女性はアフタヌーン・ドレスにひさしの大きな帽子に柄の長いパラソル。私を見送りに来た母と妹はこの英国人たちの姿を喜んで見物していました。英国は人々に名誉を与えることで働かせるのが得意です。

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(エリザベス女王の公式誕生日Trooping the colourで見かけた典型的な英国の紳士)
 
無断転載を禁じます。©原麻里子
# by anthropologist | 2007-06-13 09:06 | BBC

イングリッシュ・サマー 英国の上流階級の社交シーズン

 英国でBBCワールド・サービスで働いたプロデューサーとして、私は様々な取材をしましたが、一番想い出深いのは、自分で企画した「イングリッシュ・サマー」シリーズです。英国の夏は戸外で行われる音楽祭やイベントなどが盛り沢山。社交シーズンです。

 私は、この番組のために、グライドボーン・オペラ・フェスティバル、ロイヤル・アスコット、ヘンリー・レガッタ、チャールズ皇太子が出場するポロなど、日本人がこれこそが英国と思うような「伝統的」で、華麗な上流階級の社交イベントの取材を行いました。この取材を通し、また、英国で暮らすにつれて、何故、英国人は「創られた」階級に固執するのかと疑問に感じていました。その社会的・政治的意味については、社会人類学を学ぶようになって分かってきました。
 

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  (ポロ競技に興ずるチャールズ皇太子)

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       (エリザベス女王とチャールズ皇太子)

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    (日本のテレビクルーも取材に)


原 麻里子

# by anthropologist | 2007-06-13 08:57 | 英国

BBCワールド・サービスのプロデューサー時代

BBC時代―積極的に、交友関係を広め、取材に出る

 テレビ朝日でアナウンサーをしていた私の人生は、会社からロンドンへ派遣され、BBCワールド・サービス日本語部のプロデューサーとして働いたことで、大きく変わりました。

英国に赴任したばかりの私には、英国人の社会が実に不可解でした。暇があれば、クロスワードパズルをする人。単なる顔見知りならば、挨拶をしないBBCの同僚達。安い買い物をしたことを自慢にする人たち。廃墟のような家を購入して、20年以上もかけて、自分の手で改装している夫婦。犬を連れたホームレスたち。ここに総てを挙げることが出来ないほど、すべてが物珍しい日々でした。

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(ウェールズ、スランゴスレンのミュージック・フェスティバル)

 当時の英国では、「英国には3つ自慢できるものがある。それは、英語、BBCワールド・サービス、オックス・ブリッジ(オックスフォード・ケンブリッジ大学)である。」とよく聞きました。英国人は、BBCワールド・サービスが「自由」なマスコミ活動の出来ない国々に向けて、「公正」な報道を短波ラジオで伝える役割に自信を持っていました。ですから、研修では、感情の入らない「公正」な言葉を用いて報道するようにとの指導が行われました。英国人にとって、「公正」であるということは、非常に重要なモラルなのです。その割には、英国には、建前とは裏腹に、人種偏見の見られる番組が多いなというのも私の発見でした。それが、後に、ナショナリズムと映像メディアの研究の布石になりました。



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「イングリッシュ・サマー・シリーズ」のグライドボーン・オペラの取材中。

無断転載を禁じます。原 麻里子
# by anthropologist | 2007-06-13 08:55 | BBC

BBCとケンブリッジで学んだこと

  約8年間の英国での職業・学生生活を通して、私が学んだことは、英国人の自由・公正・正義・個人主義の尊重、「人権大国」と呼ばれる英国の一人一人の人間を大切にするシステム、異なった文化の人々と共存するために語り合うこと、そして、論理的・合理的に思考し、それを説明するための言語力の重要性など多々あります。

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 (左 エリザベス女王の公式誕生日を祝して、ロンドンで行なわれるTrooping the colour)



 一方、外国人の能力も英語力で判断すること、「伝統」に固執すること、大袈裟な社交辞令の割には内実が伴わないこと、時間や約束にルーズなこと、効率よく仕事をするのが不得手なことなど、同意し難い点も数え切れません。

 社会人類学は他の文化・社会の人々がどのように彼らの世界を了解しようとしているか、その世界観を理解しようとする学問です。私達はステレオタイプに囚われず、異文化の人々の暮らしから何を学ぶことが出来るのでしょうか。彼らの価値観を見ることで、より良き地球を作っていくべきではないでしょうか。

 私は英国と日本の研究をベースに、(最近は韓国も加わりましたが) 社会人類学の視座から、より良い社会の建設に微力ながら尽くすことを、これからの職業生活にしたいと考えています。


無断転載を禁じます。 原 麻里子
# by anthropologist | 2007-06-13 08:46 | 英国

BBCの視座から 「メディアは変わるか」 東京新聞

「メディアは変わるか 上」 東京新聞 2007年5月2日

「番組不祥事の防止へ 外部からの人材登用を」

テレビ局の一連の不祥事に関して「東京新聞」のインタビューを受けました。私はBBCワールド・サービスのプロデューサーとして勤務した体験を通した目でインタビューに答えました。

http://ahnchanghyun.blogspot.com/2007/05/blog-post_8185.html

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  (「英国の働く女性たちシリーズ」 ロンドンの女性バスドライバーのインタビュー)

原 麻里子

# by anthropologist | 2007-06-06 12:35 | BBC

BBCワールド・サービス

「BBCワールド・サービス」(『ソフィア』第54巻第2号) 2006年7月発行

BBCワールド・サービスは英国の誇り・・・

BBCワールドサービス日本語放送プロデューサーとして勤務した経験を踏まえた、BBCワールド・サービスの社会人類学的分析

HPを作成したら、論文をPDFファイルで掲載します。

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(BBC ワールドサービス Studio)

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  (ダウニング10 首相官邸前で、同僚と)


  原 麻里子



慶應義塾大学法学部・上智大学・法政大学非常勤講師、ジャーナリスト、コメンテーター

略歴 東京都出身、女子学院高校から慶應義塾大学文学部(美学美術史学専攻)卒業、
テレビ朝日アナウンサー、英国放送協会(BBC)ワールド・サービス日本語部プロデューサー(在ロンドン)、テレビ朝日報道局ディレクターを務めた後、テレビ朝日を退社。
ケンブリッジ大学大学院考古人類学部社会人類学科へ留学し、論文修士号を取得。
滞英通算約8年間。

# by anthropologist | 2007-06-06 12:12 | BBC