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「リリーへの手紙」 ケンブリッジ大マクファーレン教授のインタビュー
『リリーへの手紙』について
著者であるケンブリッジ大学社会人類学科アラン・マクファーレン教授に聞く マクファーレン教授は、1970年代に、人口研究を基にした『イギリス個人主義の起源』で、学者としての名声を確立した歴史人類学者。ネパール、イングランド、日本、中国を主たる研究対象にし、日英の人口に関する歴史人類学的研究、中世イングランド魔女の研究、さらには、お茶やガラスから資本主義の発展を考察する研究などを行っている。1990年以来、訪日は6回目。1941年生まれ。 「英国では、研究者は常に研究者を対象に論文を書いています。英語という媒体のもつ有利性もありますが、研究者は専門家を通し自分の知見を世界に広めることに興味があります。私も年齢が上がり、人生の円熟期を迎えるにつれ、一般人に知識を伝達したいと考えるようになってきました。 2005年、私は自著15冊の本のエッセンスを一般向けにして、『リリーへの手紙』(田口俊樹訳 ソフトバンククリエイティブ 2005年)を書きました。丁度、大人になる前、大学に入る直前の少年少女たちに、世の中の見えないルールや異なる社会を説明したものです。私は、執筆時に7歳の孫娘が17歳になったときに読むという設定で、手紙を書くという形でこの本を書きました。また、私自身が西洋の人間なので、西洋の社会もよく分るようになっています。色々な社会の人にも読んでもらえるようにと思っています。この本は、日本語のみならず、北欧の4言語、韓国語、中国語(5月予定)など、8言語に翻訳されました。 また、日本の社会がどのように機能しているかについて、英語で書かれた一般向けの本はありません。専門書はありますが、社会学、人類学の学問用語が多く、一般の人には読みにくいです。世界では歪められた日本像が形成されています。ほとんどの人が日本のことを全く理解していません。世界の異なる社会の人々に日本のことを理解してもらうのみならず、日本人自身にも、私の目を通して、外の人たちが日本をどう見ているかということを知ってもらうのは、人類学の仕事です。私は歴史人類学の手法を用いて、日本の共著者と一緒に、この本を書いています。世界で日本社会がどのように動いているのかを理解してもらうようにしたいと思っています。」 (2006年4月1日 赤坂プリンスホテルにてインタビュー) 無断転載を禁じます。 原 麻里子
by anthropologist
| 2007-08-23 10:37
| 人類学
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